2019
ホールウェイとラバトリー/residence in Nakameguro
中目黒駅から徒歩3分にある築41年の再販物件。企画段階から「住と働のつながる暮らし」がテーマとなり、自立したカップルを想定ターゲットとすることになった。
平面計画を制限する要素として、100m2程の住戸のほぼ真ん中に排煙区画の名残としてコンクリートの壁が残ることがわかった。普通に考えると、エントランスにつながる西側半分をパブリックな「働」としてのリビングとして確保し、奥の東側半分をプライベートな「住」としての個室群とすることがセオリーであったが、我々は様々な条件を勘案しその逆の構成とする事にした。
エントランスには我々がホールウェイと呼ぶ、ゆったりとした廊下と部屋の中間のようなスペースを設け、そこから各室にアプローチする構成とした。それによって、住戸の中で間口と奥行きを最大に取ることのできる東側半分を「働」のためのリビング兼仕事場として丸ごと確保することができた。
L字型のホールウェイは一部をスタジオや応接スペースとしても使うことができる。「住」としての二つの個室はこのホールウェイとラバトリーを通して繋がっており、個室を持つ2人が再びラバトリーで出会うような回遊性の構成としている。さらに、このプライベートな室群は、西側の斜面の木々に対して開かれ、駅の近くでありながらも地形を生かし、静けさを感じられる配置を取った。
ホールウェイとラバトリーという、ふつうは最小限の床面積に抑えがちな空間にゆとりをもたせることで、生活に豊かさを生み出すとともに住戸自体に格を与えている。
location: Kamimeguro, Meguro-ku, Tokyo
program: renovation, residence
client: Rebita 「暮らし発想」
total area: 105.3 m2
date of completion: December 2019
architect: studio niko (Kenya Sato, Naohiro Sasamoto)
art curation: studio niko (Kenya Sato)
photo: studio niko (Kenya Sato)